トヨタコネクティッド株式会社

進化するオフィス体験。workhubを通じて変わるファシリティマネジメントの挑戦

トヨタコネクティッドは、「つながる」「共有する」「創る」がコンセプトの「オープンイノベーションの場」として2020年7月に東京・御茶ノ水に「TOKYO GLIP」を開設しました。

「TOKYO GLIP」は、個人がグローバルな視点で社会をより豊かにする技術やビジネスアイディアによってイノベーションを推進し、同時に他者と協力してイノベーションを創出する「共創」というトヨタコネクティッドの理想を実現するための新拠点です。

「TOKYO GLIP」では、様々な企業様との交流や意見交換の促進のために、無料で利用できるスペースや、車両を用いた検証や評価が可能なガレージ、随所にコミュニケーションスペースやモビリティへの情熱を刺激する古き良き時代のドライブインをイメージしたカフェ&バーも設置されています。このオフィス空間は、来訪者や従業員がトヨタコネクティッドの推進するオープンイノベーションを直接体験できる場として創造されました。

この共創する空間を作るために寄与したのが、来訪者がストレスフリーで利用できる無人受付システムや、従業員の利便性を向上させるカードレス入退室システム、会議室予約システムを提供したビットキーのworkhubでした。これにより「TOKYO GLIP」は、高セキュリティを確保しつつ来訪者が自由に出入りできるという、理想的なオフィス空間を体験することが可能になりました。

今回はこの「TOKYO GLIP」を設立した背景やworkhubの導入時のお話、進化し続けるオフィス体験についてトヨタコネクティッドの林さん・喜田さんにお伺いしました。

業務改善からはじまるトヨタコネクティッドの源流

トヨタコネクティッド株式会社のチーフカルチャーコンサルタントの林様。戦略本部先行企画部、グローバル経営企画部、人事総務部を兼任されており、「TOKYO GLIP」の設立から深く関わっている。

——まず最初に「トヨタコネクティッド」について教えていただけますか。

林さん:トヨタコネクティッドは、地区担当員だった豊田章男課長(現トヨタ自動車株式会社 代表取締役会長)の「なぜ、トヨタの組立工場を6時間で出た車両が販売店で何日も、何十日も滞留するのだろうか?」という疑問をきっかけに、トヨタ自動車に設立された「業務改善支援室」(チームCS)を原点としています。

当初は約70名のメンバーが全国の販売店に分散して常駐し、TPS(トヨタ生産方式)とITを駆使した販売店における業務改善活動に取り組んでいました。
改善活動により新車物流の改善が軌道に乗ってくると、次に注目したのが中古車でした。この中古車の物流改善を目的として開発されたのが、中古車画像システム「GAZOO」です。

このシステムは、デジタルカメラで中古車を撮影、ネットワーク上に画像を公開することで中古車の情報を遠隔地からでも確認できるようにしたもので、インターネットが今のように普及する前の時代においてはとても革新的な試みとなり、導入前比較では売上は約2倍、販売までのリードタイムも半減するなど、大きな成果を残すこととなりました。当社はこのような画期的な取り組みを通じて、トヨタ自動車のWeb事業の一翼を担ってきました。

GAZOOメディアサービス、デジタルメディアサービス、トヨタメディアサービスといった社名に変更してきましたが、これらの変遷もまた、トヨタグループ内での当社の進化を象徴しています。現在は多岐にわたる活動を行っているので、事業内容を端的に表現するのは難しいですが、主力となっているのはコネクティッド事業です。これは、お客様がトヨタのつながる車「コネクティッドカー」を運転する際に得られる車両データを収集・解析し、お客様により豊かなサービスを提供する事業となります。

オープンイノベーションの場としての「TOKYO GLIP」オフィス

顔認証とスマートロックbitlock PROの組み合わせで、ICカードを用いることなく顔認証端末に「顔をかざすだけ」で入退出することができる。従業員のICカード紛失リスクやICカードを悪用した不正入室のリスクも大幅に低減。

——「TOKYO GLIP」を設立した背景や役割について詳しく教えてください。

林さん:「TOKYO GLIP」は、グローバルな視点で人材が集い、イノベーションを推進するための場所として設立されました。ここでは、個々がリーダーとして自らイノベーションを創出し、同時に他者と協力してイノベーションを生み出すことに重点を置いています。この「共にイノベーション」というアプローチは、特にベンチャー企業にとっては重要な要素のひとつです。

「TOKYO GLIP」が入居しているaxle御茶ノ水は、リノベーション前はトヨタ自動車の社員寮でしたが、もともとは大学が所有する学生会館で築57年が経過しています。現在のオフィスへリノベーションをする際は建物の歴史、当時この建物を使用していた人たちと共に築かれた力強さや目に見えないパワーを活かすことに重点を置きました。余分な装飾を省き、壁はむき出しのまま、床も最低限必要な部分だけにカーペットを敷き、元の建物の個性を活かしたオフィスデザインに仕上げました。

この建物のリノベーションは、トヨタコネクティッドのオフィスデザインポリシーに基づいています。このポリシーには「永遠に未完成」という考え方が含まれており、「時代に合わせて常に新しいものを追求し、オフィスをみんなで作り上げていく」という思想があります。

また、「TOKYO GLIP」を設立する際、6つのテーマを掲げました。「Co-creation」「KAIZEN」「Diversity」「Globalization」「Visualization」そして「SDGs」です。これらのテーマは、オフィスの設計方針を形作るものであり、私たちがどのようにオフィスを作り上げていくかを決定する際の基盤となっています。

私たちはこのオフィスを通じて、トヨタコネクティッドの歴史を感じ取ってもらい、創業者である豊田章男氏の想いを言葉でなく肌で感じてもらうことを目指しています。そのためにオフィスの随所でアートを積極的に取り入れ、オフィス内に設置するインテリアやプロダクト選定時も、これを目指しています。

ベンチャー企業との連携強化。workhubで実現した進化するオフィス体験

トヨタコネクティッド株式会社の「TOKYO GLIP」と東京総務グループのマネージャーを務める喜田様。workhubの導入や運用にかかわる。今回は名古屋本社からオンラインでの参加。

—— workhubの導入背景について教えてください。

林さん:私たちが東京オフィスの構想を練っていた時、一つの重要なテーマがありました。それは、ベンチャー企業との連携です。この目標を達成するために、ベンチャー企業との自由なコミュニケーションと交流を促進できるシステムを探していました。

このオフィスをデザインする際、ベンチャー企業の人たちがいつでも自由に出入りできるような特別感を演出したいと考えていました。それらを実現するアイデアとして出てきたのが、セキュリティカードをかざすのではなく、QRコードや生体認証を使っていつでも扉を開けられる体験を提供したいというものです。そこでビットキーが提供しているworkhubであればこの体験を実現することができることを知り、導入を決断しました。

導入段階では、運用についていくつか要望を出させて頂いたのですが、ビットキーのカスタマーサクセスの皆様が、常にチャレンジする方向で前向きに検討してくれたため本当に助かりました。トラブルがあっても、どうやって解決できるかという視点で対応してくれるのは、私たちが求めていたベンチャー精神そのものです。

私たちは取引先のみなさんに「失敗しても大丈夫。うまくいくように考えてチャレンジしてほしい。」と伝えているのですが、ビットキーさんはこの期待にいつも応えてくれています。このような姿勢も、workhub導入の大きな理由の一つです。

—— workhubを導入して他に実現できたことや良かったことは何でしょうか。

喜田さん:workhubの導入で特に良かった点は、予約システムの利便性向上です。多くの従業員から「便利な機能が導入された」と好評をいただいています。なかでも、会議室予約の見える化はファシリティマネジメントの観点でも大きく改善につながりました。以前はOutlookカレンダーを立ち上げ、そこで確認や予約をしなければならなかったのですが、今は直感的でかなり使いやすくなりました。

また、社内イベント利用時にも、QRコードによる扉開閉を利用しています。これもイベント開催メンバーから高い評価を受けています。

外部来訪者向けの無人受付システムworkhub Reception。事前に送付されているQRコードをかざして入館できるほか、端末を操作して担当者の呼び出しなども可能。

—— ファシリティマネジメントの観点で課題と感じているところはありますか。

林さん:現状でまだ十分に実現できていないと感じていることは、従業員が自発的に何かをはじめるという動きがまだ少ないことです。自ら進んで提案を行ったり、積極的に取り組む姿勢は、これからかなと思っています。もっとメンバー同士で連携し、コミュニケーションを取ることができれば良いと考えています。

そのために、総務としてさまざまな取り組みを行っています。例えば、最近では本社とつないで、社内バーイベント「TCバー」を月に一度開催しています。名古屋と東京をオンラインでつなぎ、東京では喜田さんが主導して実施してくれています。

これらのイベントも、まだ完成形ではなく試行錯誤しながらどうすればより良くなるかを試しながら進めています。うまくいけば次につなげ、うまくいかなければ改善します。これはまさに、私たちの会社の創業の精神に通じるものです。このような取り組みを通じて、自発的な動きを促進し、創業の精神を体現していきたいと思っています。

—— 今後導入してみたい機能や実現してみたい体験はありますか。

林さん:これから導入したい機能は、スマートロッカーですね。一つのロッカーを一人ではなく複数人でシェアできるようにしていきたいと考えています。人が増えるたびにロッカーの数を増やすことは、非効率ですし物理的にも難しくなってくると思います。

喜田さん:在宅勤務をするメンバーも多いため、現在のロッカー割り当て方法は少しもったいないと感じています。スポーツクラブのような、より柔軟なロッカーの運用システムを導入できれば良いと思います。

加えて、カードシステムを利用して、ロッカーの使用状況を把握し、未返却の際に通知ができるようなシステムも良いと思います。このような機能があれば、ロッカーの管理がより効率的になり、利用者にとっても便利になるのではないでしょうか。

林さん:運用面で今後取り入れたい機能としては、オフィスや会議室の利用状況分析ですね。いわゆるオフィスのDX化です。実際にどう使われているのか、また、想定外の使い方がされていないのかなど。これらのデータは次に何を改善すべきか考える際に重要になります。

多様な連携で描く「TOKYO GLIP」の展望

6階エントランスに描かれているトヨタコネクティッドのアイデンティティを浸透させるウォールアート。「GAZOO端末」や「e-Tower」、オペレーターの姿、Woven Cityの舞台である富士山などが描かれている。

——  今後の展望について伺います。「TOKYO GLIP」そしてトヨタコネクティッドとして、今後の目指すことや目標について教えていただけますか。

林さん: GLIPを構築して3年が経ちましたが、その間コロナもあり、当初のGLIP設立の目的であった「自らイノベーション、共にイノベーション」の実現がなかなか困難な状況でした。これからの3年は、イノベーションの実現のため、自ら企画して自ら実行し自ら発信する取り組みを推進し、そのための環境構築を行っていきたいと考えています。

オフィスづくりを街づくりとしてとらえて、住民イコール従業員が自分たちの住みやすい街を自ら考えて作っていく、そんな活動を促していこうと計画しています。

自主的な活動が生まれるための「うねり」を作りながらグローバルな人財ネットワーク500人を目指す、これが今の目標です。

——  最後に

ビットキーカスタマーサクセス 渡辺:私たちは毎年新しい機能の開発を進めており、トヨタコネクティッドさんにフィットする機能を提案し、いち早く試していただきたいと考えています。ビットキーとしては、協力的なお客様と一緒に進められるので、本当にありがたく、やりがいを感じています。

プロダクトへのご意見も多くいただいており、これらのフィードバックを開発に活かし、機能開発の参考にしています。今後もこのようなご意見をいただきながら、トヨタコネクティッドさんに最適な機能の開発を進めていきたいと考えています。

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January 15, 2024

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