RIZAPグループは2023年1月にグループの約20社を集め、組織の基盤となる新たなオフィスを開設しました。同社におけるグループ組織の強化を目的とした新オフィスのテーマは「進化するオフィス」。この「進化するオフィス」を実現するため、RIZAPグループを取りまとめる人事部が選んだのはビットキーのworkhubでした。
workhubひとつで、無人受付や会議室予約、顔認証によるカードレス化など、新オフィスに求めていた機能をすべてカバー。workhub独自の拡張性によって、使いやすさを兼ね備えるだけでなく、利用・運用とともに効率的で便利なオフィスが実現できているといいます。
そんなオフィス移転・統合の背景やworkhubの導入過程、現状のオフィス運用についてをRIZAPグループ人事部の大宮司さん・森さんにお伺いしました。
約20社ものグループ企業が集結し、ABW型のオフィスで働き方を転換
—— まずは、RIZAPグループについて教えてください。
大宮司さん:RIZAPグループは「『人は変われる。』を証明する」理念に掲げ、すべての人が、より健康に、より輝く人生を送るための「自己投資産業」を事業ドメインとしています。CMでもよく知られるパーソナルトレーニングジムのRIZAPを中心に、ヘルスケア領域を中核としつつも、美容ヘルスケア事業やウェルネス事業など、理念をともにできる企業にグループインしていただくことで事業を通じた社会貢献のできる範囲を広げてきました。
—— 約20社のグループ企業が1つのオフィスに統合された背景を教えてください。
大宮司さん:RIZAPグループはコロナ禍によって急激に変化したお客様の価値観に対応するために、多種多様なグループ企業の力を結集することで、高い価値を提供し続ける「One RIZAP」なるものを掲げました。
その取り組みのひとつとして考えたのが、グループ企業の様々なビジネスプロセスを統合管理し、ベストプロセス化することによる「コストの最適化」です。今回のオフィス移転やシステムの共通化はその一環となります。
固定席中心の従来型オフィスからフリーアドレスを取り入れたABW(*1)型のオフィスへ転換することで、よりコミュニケーションが行いやすい環境になれば、グループシナジーも生まれやすくなるということで、オフィス統合に至りました。*1 アクティビティー・ベースド・ワーキング(Activity Based Working)の略称
システムの統一によって組織の生産性と横断したコミュニケーションが向上
—— 移転プロジェクトを主導したのが総務を担当するチームではなく、グループを統括する人事部であったのは珍しいのではないかと思います。どのような経緯でしたか?
大宮司さん:当然のことながらオフィスは、弊社グループの社員たちが日々働く拠点です。今回、会社として見据えていたゴールは、オフィス移転の完了そのものではなく、その先の「組織力強化」という人事的な観点でした。そのため、グループ全体の人事戦略を担う人事部にスタート地点であるオフィス移転から任せようという判断です。
—— 移転プロジェクトの中で大変だったことはなんですか?
森さん:各企業からの要望をとりまとめて実現可能なレベルに落とし込むこと、そして全体のバランスを考慮しながらひとつにまとめきることが大変でした。
弊社のグループ企業には、RIZAPのようにリアル店舗を構えて無形のサービス提供するものもあれば、商品を多数開発し、ECサイトで有形商材を販売する企業もあります。事業の展開方法や扱う商材がそれぞれ異なるため、各社でオフィスのあり方も全く違いました。たとえば、A社は商談や戦略会議などを行えるクローズドな部屋が必要であったり、B社は在庫を保管する大きな部屋が不可欠だったり……。
各社にとって必要なものや条件を丁寧にヒアリングするとともに、一定の条件を設定して落とし所を見つけていくことで、多様な企業が集まることの意味が高まるように調整していきました。
—— オフィスを移転した結果として、グループ企業の方々の反応はいかがでしたか?
森さん:今回新たに同居した企業も含めて、結果的に「良かった」という声を多くいただきました。ABWを筆頭にこれまでとは異なる運用を取り入れたため、いろいろ不満が出てくるのではないかと思いましたが、それもほとんどなくて。スムーズに利用してもらえているのを日々実感しています。
特に顔認証を導入したことへの反応はとても良いですね。日常で利用するドアがわかりやすく進化し、その利便性の高さにイチ利用者としても感動しています。社員からは「オフィスが使いやすくなったので出社している」「新オフィスでの生産性が倍になった」と言ってくれる人もいて、やった甲斐があったなと。
大宮司さん:これは思わぬ副産物なのですが、workhubを導入したことにより、グループ全体での一体感を得られていると感じています。所属先に関係なく、誰しもが顔認証で入退室し、workhubで会議室予約やアポ設定を実施する。みんな同じシステムを同じように使う風景が生まれたことで、一体感を醸成できているのかな、と。
これまでの社員証を介した運用は、どこか「所属先」を意識せざるを得ないシーンがあり、同じグループでありながら、ちょっとした違いを感じてしまうことがありました。今はそれがなく、シームレス。まさに目指していた「One RIZAP」な環境ができています。
—— workhubを導入したことで、組織の一体感を感じられているんですね! ABW型のオフィスにした感触はいかがですか?
大宮司さん:私はグループ全体を取りまとめる人事として、オフィスがどのように活用されているかを体感するため、普段からいろいろな場所を使うようにしているんです。移転当初は新規で同居を開始した企業ほど、その企業内の社員が固まる形で座席を使用していましたが、今ではそれぞれが自由に座席を選択し、活用している様子が見受けられるように。
また、あえて様々な種類の座席を用意した結果、社員が能動的に「自分の生産性が上がる場所」を選択して、オフィスを使う光景が当たり前になりました。社内のどこかで会話が始まると、そこに居合わせた別企業の社員も加わり、議論が白熱することもしばしば。新しいコラボレーションが生まれた瞬間を目の当たりにしたこともあります。そのときには「してやったり!」と、心の中でガッツポーズしました(笑)。
企業の垣根を越えた横の連携がどんどん生まれているのを感じると同時に、「ABWとは、こういうことか!」と、日々新たな発見があります。オフィスのシステムをworkhubでつなげたことによって業務が効率化されたことも相まって、生産性を高める上でも、グループ企業間の壁を越えた横のつながりを作る上でも、かなりうまく機能しています。
オフィス全体の効率化も個別機能の最適化もworkhubひとつで実現
—— なにがworkhub導入の決め手でしたか?
森さん:まず、オフィス全体を踏まえたご提案をいただけたこと。そして、我々が考えるオフィス環境に必要なシステムがすべてworkhubひとつで実現できたことが決め手です。
「新しいオフィス」というのは大きな変化が伴うもの。そんな中で社員が少しでも早くオフィスに馴染み、働きやすさを感じられる環境を、人事として整えてあげたいと考えていました。それを実現すべく、システムの選定では6〜7社ほどから話を聞きました。
顔認証での入退室機能や受付システム、会議室の予約管理とこちら側の必要な要件に対し、特化型である個別のシステムについて話をそれぞれ聞きましたが、オフィス運用や社員の働きやすさにどう結びつくのか、全体像を描く難しさを感じました。
一方でworkhubは、実際に製品やサービスが活用されているのかをオフィスツアーを通じてリアルに体験でき、その上でインターフェースがとてもよく使いやすい印象を受けました。使いやすさはとても大事なポイントでしたね。さらに、顔認証での入退室機能をはじめとする必要な要件がすべて揃っていて、オフィス運用の全体像がすっと理解できました。
大宮司さん:また、workhubの拡張性も決め手のひとつです。RIZAPグループは組織的な進化に向け、オフィスでもさまざまな施策を考えており、システムの追加やアップデートを想定しています。一般的なシステムだと、あとから導入するシステムは既存システムとの整合性を気にする必要がありますが、workhubにはそれがありません。
workhubは後付けでデバイスや機能を追加できるため、オフィスの運用が楽ですし、すぐに馴染むという点がほかにない大きな魅力です。
ビットキーさんは、「導入がゴール」となるシステムベンダーと異なり、我々の「進化するオフィス像」に合わせて伴走してくれる存在だと感じています。
workhubの導入によって得られた価値
—— workhubを運用いただいて、導入したメリットをどのように感じていますか?
大宮司さん:全社で一貫したシステムを使えることが最大のメリットです。
顔認証による入退室機能、無人受付システム、会議室の予約管理、いずれもグループ企業の垣根なく利用できています。また、前述の通り、カードレスによるシームレスな出社体験などによって社員みんなが「One RIZAP」をより体感しやすい環境に貢献してくれています。
森さん:実は以前、別の受付システムを導入していました。しかし、企業によって運用にばらつきがあったんです。ある企業は社員に直接個別で連絡が取れたり、ある企業はまず代表電話につながったり。そういった違いによる運用や管理コストについても統合化できないか検討していました。
今回、workhub Receptionにまとめたことで、各企業の社員が個別に連絡を受けられるようになりました。来訪者が事前に発行されたQRコード(*2)をworkhubで読み取ると、訪問企業先の社員へ通知が送られます。権限設定もworkhubから簡単にできるので、社員が入れ替わるタイミングで操作するだけなのでスムーズです。
大宮司さん:会議室予約については、目下運用の改善を実施中です。
現状の設定は、特定の人にのみ会議室の予約や変更ができる権限を付与している状態で、これは予約状況の開示も同様です。グループ企業の社員全員に権限を付与をしてしまうと、会議室がパンクしてしまう可能性を危惧しての措置になっています。
しかし、workhubは会議室の予約状況や実際に利用されたログが可視化されるため、この利用実態を掴みながら改善を図っているところです。
森さん:今回、共有部から専有部のドアだけでなく、専有部内のサーバールームにも顔認証を設置したことでオフィスのセキュリティも強化されました。サーバールームは社員でも限られた人だけがアクセス権をもつべき、ハイセキュリティゾーンです。
共有部・専有部・ハイセキュリティゾーンと、必要性に応じてセキュリティの段階設定ができ、さらに自動で取得される入退室ログで管理の効率化や利便性の高さを感じています。*2 QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標
ビットキーはオフィスと働き方の進化に伴走できるパートナー
—— workhubはどのような企業におすすめだと思われますか?
森さん:workhubはオフィスを構える企業であれば、どんな企業にでも合っているプロダクトであり、サービスだと思います。特に、カードレスによりバックオフィスの効率化を図りたい企業やセキュリティを強化したい企業におすすめですね。
今回、顔認証を導入しカードレスになったことで社員証紛失のリスクと再発行のコスト、それらの手続きに伴う人的コストのすべてから解放され、オフィス運用の効率化が大きく前進しました。また、共有部・専有部・ハイセキュリティエリアといった環境を簡単な設定でゾーニングできたことで、グループ全体のセキュリティ強化にもなっています。
大宮司さん:私たちのように、グループ企業がひとつのオフィスに入居するような場合もおすすめです。オフィスの運用がworkhubで賄えるため、権限管理や設定が一括で済みます。コストと業務効率化どちらも非常に効果的です。
また、ビットキーさんは自社でシステムを開発するだけに留まらず、自社オフィスで毎日社員が利用されています。働く場所を通じた「働き方」において、プロダクトやサービスを通じて体現しているので、信頼感があります。だからこそ、様々な企業のオフィスにもworkhubが導入されていること、その多様性がサービスそのものの将来性につながっているように思います。
「オフィスをつくる」ことだけをゴールとせず、その中で変化を生み出し、進化の起点にしていこうとする企業にとって、ビットキーさんは良いパートナーだと思います。
—— ありがとうございました!
workhubをご検討のお客様はビットキーまでお問い合わせください!
June 16, 2023