エイチ・ツー・オー リテイリング

オフィス移転を機にフロア面積を3割まで減床、ABWを採用し「新たな価値を創造する土壌」としてのオフィスへ

エイチ・ツー・オー リテイリング(以下、H2Oリテイリング)と阪急阪神百貨店は、2022年12月にオフィスを移転しました。

移転に伴い両社で打ち出した新オフィスのテーマは「業務効率化を推進し、新たな価値を創造する土壌としてのオフィス」。リアルとデジタルの融合や急激な時流の変化によって、絶え間なく変容するお客様の行動やご要望など、それらに対応できるフレキシブルなオフィスを構築することで、新しい価値を提案し続けるビジネスモデルや「働き方DX」の推進を目指しました。

そして、この「働き方DX」を推進するためH2Oリテイリングさんが選んだのは、ビットキーのworkhubでした。なぜなら、「入退室管理」「社員の位置情報取得」「会議室や座席の予約・管理」「無人受付」など、ABW(*1)を採用した新オフィスに必要な要件すべてをworkhubは網羅していたから。これにより、働き方のDXに留まらず、「共創を促すオフィス」の実現にも貢献しています。そんなオフィス移転の背景や現状のオフィス運用について、H2Oリテイリング経営企画部の梶山さん、長谷川さんにお伺いしました。*1 アクティビティー・ベースド・ワーキング(Activity Based Working)の略称

働き方のDXによって「コミュニケーションリテイラー」としての存在を確立していく

全席ホテリングのABW型オフィスで、従業員同士の部署を横断したコミュニケーションが促進され、新たな価値やアイデアを生み出すきっかけづくりに寄与している

—— まずは、H2Oリテイリングについて教えてください。

梶山さん:H2Oリテイリングは「地域住民への生活モデルの提供を通して、地域社会になくてはならない存在であり続けること」をグループ全体の基本理念とし、関西を中心に百貨店やスーパーマーケットなどの多様な小売店を地域密着型で展開してきました。

そうして積み重ねてきた地域やお客様との強いつながりと信頼を礎に、「コミュニケーションリテイラー」としての存在を確立していきたいと考えています。これは「継続的な深いコミュニケーションを通じて、一人ひとりのお客様にふさわしい価値・商品・サービスを提供する」ことで、新しい事業スタイルを確立し、成長を目指していくというものです。

それには、魅力的なコンテンツ開発はもちろんのこと、実店舗とECサイトというようなオフラインとオンラインを融合したコミュニケーション、データ活用による的確な販売サービス力が重要になってきます。現在この戦略を実現すべく、様々なDXプロジェクトを推進しています。

—— どのような経緯で移転することになったのでしょうか?

梶山さん:元々、旧オフィスビルの老朽化に伴って移転する必要がありました。移転を機に先ほどお話ししたような、新たな価値創造に向けた働き方の変革に加え、生産性向上や効率化の観点で面積削減によるオフィスやビジネスのDXを促進しようと考えました。

我々が主軸とする百貨店は、お客様に新しい価値やライフスタイルを提案する場所です。昨今ではデジタル化が急速に進んでいますが、小売業も例外ではありません。そんななかでも新しい体験を求め、あえて店舗に足を運んでくださるお客様が沢山いらっしゃいます。そして、今やお客様自身がどんどん変化していく時代です。そのため、我々も「コミュニケーションリテイラー」として、店舗を持つ強みを生かしながら、お客様へ提供する価値を最大化することにつなげていかねばなりません。

そこで、ビジネスモデルのDXを考える第一歩として手掛けたのが、今回のオフィス移転と「働き方DX」です。つまり、働き方のDXという新しい価値に普段から私たち自身が触れていくことで、お客様への新しい提供価値を常に模索し、提案できる体制を構築すること。この考えが、今回のオフィス移転で最も重要なテーマとなっています。

自律的人材を育てるオフィス。ABWによる自律的で柔軟な働き方を実現

座席のQRコードを読み込むことでチェックインが完了、従業員は出社後に座席を予約し、その日の気分やプロジェクトによって働く場所や環境を変えることができる

—— 新オフィスに移転したことでどんな点が大きく変わりましたか?

梶山さん:伝統的なオフィスの形から、一気に先進的なオフィスの形へと移行したことが最も大きく変わった点です。以前のH2Oリテイリングは、オフィス出社を前提としたワークスタイルでしたが、このオフィス移転を機にハイブリッドワークの導入に舵を切りました。この「ハイブリッドワーク」は、従来の出社型「オフィスワーク」と自宅や他のワークスペースなどといったオフィスと離れた場所で働く「テレワーク」を組み合わせた働き方です。

この導入によって出社率が下がれば、当然ながらオフィス内に必要とされる座席数も減ります。当社は今回の移転で3割の面積削減と5割の座席数縮小を掲げていたので、オフィスは必然的に、ハイブリッドワークを実現するABWの導入が必須でした。

しかし、社員からすると、これまで固定席があった状態から急にABWとなれば、戸惑いや不安が生じるのではないかと予め想定していました。そのため、ホテリングを導入し、社員が出社したらまずは自分の席を確保できるような運用にしました。これは、社員のABWに対する心理的障壁を下げることがねらいです。

また、社員への導入初期の案内には細心の注意を払って実施しました。ビットキーさんのサポートもあって、概ね順調に導入できたのではないかと感じています。

—— 本移転で大幅な面積削減と座席数縮小を実施しなくてはならないなか、システム選定ではどんなところに着目されていましたか?

梶山さん:業務効率化を推進するとともに、新たな価値を創造する土壌としてのオフィスがテーマなので、導入するシステムも先進性が高く、かつ使用感も良いものを、という視点で選定していました。

また、当社が目指すオフィス像を実現できるシステムであることに関しては徹底的にこだわりました。というのも、プロジェクトを進めていくほど、多岐に渡って要件や要望が出てきたんです。たとえば、ホテリング機能の導入によって固定電話が不要になるため、社員がどこの席で仕事をしていても来客がわかるような仕組み、来客時に受付システムから担当者への通知が届く機能、来客時には会議室を利用するため、会議室予約と事前のアポイント設定が連動できること……。ほかにも、セキュリティカードを常に持ち歩かなくても、安全かつスムーズに入退室ができる「顔認証」での入退室利用などです。

これらを踏まえてオフィスの運用設計をしたところ、導入するシステムがバラバラだと運用上大変なことになるのではないかと思いました。正直なところ、なるべく利用も管理も負荷を減らしたい。理想は、ひとつのシステムですべてをカバーできることでした。

直感的で先進的。操作のしやすいworkhubがもたらす圧倒的な業務効率化

開放感のあるエントランスはworkhubの顔認証を採用、端末に顔をかざすだけの入退室はオフィスデザインと相まってよりスタイリッシュな空間となっている

—— なにがworkhub導入の決め手となりましたか?

梶山さん:workhubひとつで、当社が目指すオフィス像「ABWによる自律的で柔軟な働き方」を実現できることですね。

実は、当社の要件や要望を満たすシステムは、workhubを含めて2製品にまで絞り込んで検討していました。それぞれに良さを感じていましたが、実際に試してみた際にわずかながらworkhubの方がスムーズな接続やシステム連携を感じられたんです。ソフトウェアとハードウェアの両軸で開発されているのは強みであると感じた瞬間でした。

さらに、workhubは様々な機能を持つだけでなく、ビットキーさんで開発された自社製品や多様な企業とのシステム連携を通じて、どんどん進化していきます。当社もお客様への価値提供を最大化するために、日々新しい体験を率先して取り入れ、ビジネスをアップデートしていこうとしています。そういったお互いのコンセプトが共鳴したことと、workhubの将来性に対する期待感も含めて、ご一緒できると感じました。

ビットキーさんにオフィス移転についてご相談したときも、そもそもがworkhubですべてのシステムをカバーしているためか、新オフィスの全体像を踏まえたうえで個々のシステムをどのように運用していくか、といった一歩踏み込んだお話ができました。

—— オフィスを移転した結果として、社員の方々の反応はいかがでしたか?

梶山さん:新オフィス自体が、これまでの従来の働き方を大きく変えるものなので、オフィスを利用する社員も慣れるまで時間がかかるであろうこと、ストレスがかかることは予想していました。

会社としても「新しい働き方はこうですよ」と姿勢を示しつつ、総勢で900人くらいいる対象となる社員に運用ルールなどを理解してもらうことには一番苦労しましたが、社内説明会の開催やルールブックの配布、全員が見られるチャット作って発信をしてみたり、現地でオリエンテーションをしてみたり……。今も継続中ではありますが、こういった地道な活動を続けたことで、結果として社内の理解を深められたと思っています。

workhub導入よって得られた価値

「事前予約」はもちろん、会議室前からの「その場で予約」もできる。カレンダーからの連携予約だけでなく、会議中の利用予約の時間変更・延長も可能

—— workhubを運用いただいて、導入したメリットをどのように感じていますか?

梶山さん:現在、workhubを運用しはじめてからしばらくが経ちますが、社内からの戸惑いの声とったものは特に聞こえてきていません。むしろ、社員たちの仕事にどんどん馴染んでいっている感じです。特に顔認証による入退室管理は直感的でわかりやすく、先進性を感じています。実際に「カードを取り出してかざす」という手間がなくなり、利便性を実感できる点が社員からも好評です。

無人受付については、会議室予約システムと連動していることで大幅に効率が上がりました。アポイントの確認メールが、当日にチェックインするためのQRコード発行と会議室の予約を兼ねて同時に行えるため、以前に比べて必要な手順や工程が一気に短縮されました。

また、来訪者にとっても、警備員への受付や記帳、入り口付近の電話で内線番号を探し出してかけるといった煩雑な作業が、workhub ReceptionでQRコードを読み取るだけの簡便な操作に置き換わり、効率化が図られています。管理者は、これまで来訪者による記帳で管理していた来訪者記録がwokhubで自動取得できます。いつでも閲覧できるのも非常に優れていると思います。これらの体験は社内の担当者にとっても、来訪者にとっても、ストレスフリーで気持ちのいいものだと思います。

また、認証端末のスタイリッシュさはもちろんのこと、workhubの「体験」やそこに至る「動線」などすべてがスマートなので、これも先進性が直感的に理解できるポイントです。やはり、日常的に触れるものの品質が高いと、生活の満足度も上がるという、まさに当社が小売業を通じて提供している価値を、日々実感しています。

—— workhubを導入したことで、効率化や一連の体験によるスマートさを感じられているんですね! ABW型のオフィスにした感触はいかがですか?

長谷川さん:特に文化定着の面で懸念していたABWでしたが、ホテリングを使っているおかげか、運用もスムーズです。かつては固定席文化だったため、出社して一番にホテリング機能を使って「その日の仕事をする席を確保する」という仕組みにしたことがうまく噛み合ったのかな、と考えています。

「オールインワン」でオフィスと働き方のDXを前進できるビットキーのworkhub

共創を促すコラボレーションスペースでは、自然と人が集まるための仕掛けとしてライブラリーやカフェカウンターを導入。部門や会社を超えたイベントを開催することも

—— workhubはどのような企業におすすめだと思われますか?

梶山さん:私たち同様に、DXに前向きな企業さんにおすすめですね。また、workhubは“働く”に関するあらゆることが、ひとつのプラットフォームで管理が可能なので、業務効率化などで課題を感じている企業さんにも効果的です。

たとえば、社員の配置換えなどで設定変更が必要になった場合も、workhubの管理画面から設定の変更をするだけで完了します。ほかにも、自動取得される入退室のログ情報を積極的に活用すれば、社内で忘れ物があった際、その場所に座っていたであろう人にヒアリングできたりと便利です。

このようなメンテナンスのしやすさや利便性によって、管理工数が大きく削減されているという点は「workhubひとつで完結する」ことのメリットを大きく感じている点です。なにか不明点があった場合も、ビットキーさんに問い合わせれば問題が解決するという安心感も大きいですね。

workhubという製品、サービスそのものが進化していく様子が伝わってくるので、期待感があります。私たちも普段、共創といった文脈でコラボレーションを意識していることもあって、ビットキーさんとはこれからも情報交換をしながら、付加価値を一緒につくっていければいいな、と思っています。

—— ありがとうございました!

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September 12, 2023

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